不安の先へ──MEOVV『DROP TOP』が描く、“飛び立つ”という決意

音楽レビュー

MEOVVの『DROP TOP』は、不安や恐怖を感じながら
新しい一歩へ踏み出そうとしている人の背中を押してくれるような楽曲です。
始まりの静けさ、高鳴る鼓動、そして解き放たれる希望。
仲間とともに、見たことのない空へ──。
この曲に込められた決意と、その先にある未来について、紐解いていきます。

静けさの中にある高揚感──ここから始まる“飛躍”の予感

冒頭、スインの落ち着いたトーンが静かに響く。
まるで、未来へ踏み出す直前の“静けさ”のように。
不安と期待が入り混じるなか、徐々に疾走感のあるメロディが広がっていきます。
そしてサビで一気に解き放たれる強いビート──
それは、「私たちは行くんだ」という、揺るがない意志の表れのように感じられます。

恐怖を抱えても、前に進める強さ

サビに入る直前のナリンの叫び声のように訴えかけるパートは
恐れというよりは、胸の奥でくすぶる「もっと広い世界に出たい」
という挑戦への熱い想いのようです。

不安を感じながらも仲間と一緒に「私たちはここから飛び立つんだ」
という強い決意を感じさせてくれます。怖くても進むしかない。
そんな覚悟が彼女たちの絆とともに、未来へ踏み出す力になっているのが伝わってきます。

閉じた空間から光の世界へ──MVが語る“解放”の物語

MVの中でメンバーたちは最初、室内や地下のような閉ざされた空間で過ごしています。
どこか薄暗く安心できるけれど、少し息苦しさも感じる場所。

光に導かれるように、メンバーたちは外へ屋上へと歩みを進めていきます。
そこから見える空は、想像よりもずっと広くて、眩しいくらい。
空を飛びたつシーンには、不安を超えて踏み出したその一歩が、
どれだけ大きな勇気に満ちているかが映し出されています。

そして、屋上の先にはまだ続きがあります。
暗がりの中、肩を寄せ合って歩き出す彼女たちの姿や、
車に乗り込みさらに遠くを目指すシーンには、「ひとりじゃないから進める」
という信頼とつながりが感じられます。
閉じられていた空間から、光の世界へ。このMVは、その“解放”の瞬間を丁寧に描いています。

“私たちなら飛べる”──『DROP TOP』がくれる、未来への確信

誰しも、新しいことに挑戦するときは、不安や戸惑いを感じるものです。
でも、『DROP TOP』はそんな迷いに寄り添いながらも、
「それでも行こう」と背中を押してくれるような一曲です。
仲間と一緒なら、きっと飛べる。たとえ怖くても、信じる心があれば前に進める──
そんなメッセージが、歌詞や映像のなかにしっかりと刻まれています。

この曲は、聴く私たちに勇気をくれるだけでなく、
昨年デビューという大きな一歩を踏み出したMEOVV自身の決意と重なっているように感じました。
未来はまだ見えないけれど、それでも信じて進む。
その強さを、この曲は優しく、そして力強く教えてくれます。

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