tripleSの新曲『깨어(Are You Alive)』を初めて聴いたとき、
私は胸がぎゅっと締め付けられるような感覚を覚えました。
学生ではない今でも生きづらさを感じる中、
SNSのキラキラした世界と自分とのギャップに苦しむことが多くて、
その気持ちにすごく共感したからです。
この曲はそんな息苦しさや自己否定の感情を繊細な歌詞と映像で描き出していて、
私自身の経験と重なる部分が多いと感じました。
この曲に込められたメッセージを歌詞とMVのシーンを
紐解きながら考えてみたいと思います。
自己肯定感の低さと、誰よりも幸せになりたいという願い
「みすぼらしい自分を隠すの」
「広告の中のあの華やかな世界に向かって」
「本当は私、幸せになりたいの。誰よりも」
こうした歌詞は、SNS時代に苦しむ気持ちを描いています。
きらびやかな世界がすぐそばにあるように見えても、
自分だけがそこに届かないような気がしてしまう。
そんな焦燥感や、みすぼらしく感じる自分を見せたくないという思いに、
心当たりがある人も多いのではないでしょうか。
自己がまだ確立していない段階で、他人の幸せや成功と自分を比べてしまう。
その“生きづらさ”を、まるで自分たちのことのように表現しています。
私自身昔は自分の弱さや悩みを「わがまま」「自分勝手」と感じて、
誰にも相談できなかった。
今も悩みを打ち明けるのは苦手ですが、社会人経験を重ねて
少しずつ「人は人」と割り切れるようになりました。
SNSに映る輝く世界に比べて、自分が「みすぼらしい」と感じてしまう辛さ、
私も痛いほどわかります。
隠していた苦しさを見せてもいい──そんな世界への憧れ
「そういえば君も 私に似てるみたい
転んでも悲しくても 君は平気なふりをするんだね」
「私たちこのまま逃げよう」
この部分からは、「あなただけじゃないよ」という静かな共感が伝わってきます。
“平気なふり”をしているのは自分だけじゃない。
みんなそれぞれに痛みを抱えて、でも見せないようにして生きている。
そんな世界で感じる息苦しさから、「逃げたい」と願う気持ち。
その「逃げたい」は、現実から目を背けるのではなく、
もっと自分らしくいられる場所、自分を偽らなくていい場所への憧れとして響きます。
身を寄せ合いながら、夢から目覚めるために進んでいく
「泣かないで、悪夢に過ぎないの」
「大きな夢に向かって歩いていく。もっと大きな絶望に落ちていく。
夢から覚めたら、全てが夢に届いてほしい」
夢と現実の間でもがきながらも、
少女たちは身を寄せ合い、共に進んでいこうとしています。
MVでは、水の中で息ができずにもがく少女と、
それを助けようとする仲間たちの姿、夜の高架下で踊るシーン、
自転車で駆け抜ける姿、火を囲んで踊る“儀式”のような場面が登場します。
それらは、苦しみながらも一歩一歩進もうとする彼女たちの強さを表現しているように感じます。
夢から覚めることは、時に絶望を直視することかもしれません。
それでも、誰かと共にいることで目を開ける勇気を持てる。
そんな前向きなメッセージが、tripleSの『깨어』には込められているように思います
おわりに
『깨어 (Are You Alive)』は、生きづらさを感じている人にこそ響く一曲だと思います。
SNSの中でどうしても人と比べてしまうけれど、
苦しみは決してあなただけのものではない。
たとえ今もがいているとしても、いつか必ずささやかな幸せが訪れると、
この曲はそっと教えてくれているように感じます。
夢の中のような映像と繊細でリアルな歌詞が、
現実と向き合うのがつらい時に寄り添ってくれる、そんな曲だと思います。
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